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  1. 知事メッセージ
  2. 復興・再生の記録
  3. インタビュー
  4. 年表

03

帰還環境の整備

住環境の整備

東日本大震災および福島第一原子力発電所の事故直後、被災した双葉地域の方々の避難のため、県内各地に避難所が開設されました。緊急的な住宅対策として応急仮設住宅等を整備しました。その後、避難者や被災者の居住の安定を図るため復興(災害)公営住宅の整備を進めています。

○避難所

ビッグパレットふくしま

あづま総合体育館

災害時の避難場所として指定されている学校や体育館などの公的施設が1次避難所として利用されました(2011年12月28日に県内の1次避難所は全て閉鎖)。
その後、応急仮設住宅に入るまでの避難場所として、行政が借り上げた旅館やホテルなどの民間の宿泊施設が2次避難所として利用されました(2012年2月21日に県内の2次避難所は全て閉鎖)。

○応急仮設住宅等

高久第十仮設住宅団地(いわき市) 下川内仮設住宅団地(川内村) 松長5号公園仮設住宅団地(会津若松市)

緊急的な住宅対策として、応急仮設住宅の供給、民間住宅の借り上げ等が行われ、避難所からの入居が進みました。

○復興(災害)公営住宅

県内最初の復興(災害)公営住宅
(郡山市日和田)
写真提供:福島民報社

勿来酒井団地(いわき市)

復興(災害)公営住宅は「原発避難者向け」、「地震・津波被災者向け」、「帰還者向け」の⼤きく3つに区分けされ、そのうち「地震・津波被災者向け住宅」は全⼾完成。「原発避難者向け住宅」も保留分を除き完成しました。

医療機関・介護施設の再開、開設

帰還された住⺠の⽅々、避難されている⽅々に対する医療提供体制と介護サービスの確保に取り組んでいます。避難指⽰等が解除された市町村(双葉町を除く)では、ふたば医療センター附属病院をはじめとする医療機関が再開・開設され、住⺠の健康を⽀えています。
介護施設については、再開した施設が事業を継続できるよう、必要な⽀援に取り組んでいます。

ふたば医療センター附属病院

ふたば医療センター附属ふたば復興診療所(ふたばリカーレ)

多目的医療用ヘリの運航

2018年(平成30年)10月、ふたば医療センター附属病院を基地病院とした多目的医療用ヘリの運航を開始しました。浜通りの医療機関と県立医科大学などの高度専門的な治療が行える医療機関間の患者搬送が可能となりました。

公設商業施設等の整備

避難指示等が解除された地域では、帰還後に営業を再開した商店や、市町村が設置し民間に運営を委託する商業施設等の整備が進んでいます。

営業中

小・中学校の再開、高等学校の開校

震災後、各校はそれぞれ避難先で運営を再開しました。双葉町と大熊町を除く10市町村の小・中学校は各市町村内で再開しています。双葉町と大熊町の小・中学校は避難先で運営が続けられ、浪江町と富岡町の小・中学校は避難先でも運営されています。また、南相馬市(小高区)には県立小高産業技術高等学校、広野町には県立ふたば未来学園中学校・高等学校が開校しました(2021年1月末現在)。


被災地域等における
治安の確保

震災以降、全国から多くの警察官(愛称「ウルトラ警察隊」)の応援を受け、被災地のパトロールや復興公営住宅などへの巡回連絡、国・自治体・民間ボランティアと連携した防犯・交通事故防止対策など、避難者・帰還者の安全を守るための活動を続けています。
また、2017年(平成29年)3月30日に双葉警察署の本署機能を楢葉町の臨時庁舎から富岡町の本庁舎に移転し、避難指示区域等における警戒体制を強化するなど、復興を治安面から力強く支えています。

被災地のパトロール

富岡町で業務を再開した双葉警察署

被災者支援

被災者の見守り活動・健康支援、
心のケア

被災者健康支援活動

避難生活における生活習慣病の予防やこころの健康を保持するため、仮設・借上住宅、復興公営住宅などへの家庭訪問や、仮設住宅などの集会場を利用した健康教室、健康相談などを市町村と連携しながら実施してきました。

⽣活⽀援相談員

2011年8月から市町村社会福祉協議会など(2021年2月1日現在:22市町村社会福祉協議会)が順次、生活支援相談員を配置し、被災高齢者などの孤立の防止や自立支援のため、応急仮設住宅などを個別訪問し、住民の見守り活動を行っています。さまざまな相談を受けるとともに、必要な関係機関につなぐなど、安心して暮らせるよう生活支援を行っています。

高齢者等サポート拠点

帰還された高齢者の生活を支援するため、「高齢者等サポート拠点」を設置し、生活相談や交流の場の提供、健康教室などを実施しています。

コミュニティ交流員

復興公営住宅を中心とする生活拠点におけるコミュニティの維持・形成を図るため、コミュニティ交流員を配置し、交流活動の企画・運営、団地の自治組織の立上げや地域との対話の場づくりを進めるなど、入居者同士や地域住民との交流活動の支援を行っています。

心のケアセンターによる相談・支援

心のケアの活動拠点として、県内6ヶ所(福島市・郡山市・会津若松市・南相馬市・いわき市・富岡町)に「心のケアセンター」を設置しています。震災や原発事故により強いストレスを受けている方の心のケアを行うため、精神保健福祉士や臨床心理士などの専門職員が、市町村や関係団体と連携し、個別訪問などの相談活動を実施しています。また、一般社団法人日本精神科看護協会などに委託し、福島県外へ避難されている方へ心のケアのための訪問を実施しています。

全国の⽣活再建⽀援拠点

県外に避難されている⽅が、避難先での⽣活再建や帰還に向けた相談・情報収集ができるよう、全国26ヶ所に「⽣活再建⽀援拠点」を設置しています。
対⾯や電話による相談対応、交流会の開催などを⾏っています。

復興支援員

関東各都県・山形県・新潟県に復興支援員を配置し、県外駐在員と共に避難者への戸別訪問や相談対応などを行っています。

避難者への情報提供

避難者向け情報誌の送付

県内外に避難されている方や、被災者・避難者支援に携わる多くの方へ、避難者支援の状況や福島の復興への動きなどが分かる情報誌「ふくしまの今が分かる新聞」をお届けしています。

広報誌の送付

避難されている方に本県の復興状況や復興に向けた取り組みなどを知っていただくため、毎月、県や市町村の広報物を送付しています。

「帰還支援アプリ」による情報提供

避難地域や自主避難者が多い市町村の住民向けに、スマートフォン用アプリ「帰還支援アプリ」を開発し、2015年(平成27年)11月から配信しています。避難先の公共施設、仮設商店の情報やイベント情報、避難元で再開している施設など、県内30市町村の情報を提供しています。

地元紙の送付

県外へ避難されている方に、福島の情報に触れていただき、ふるさととのつながりを感じていただけるよう、地元紙を全国の公共施設などに送付しています。

避難者支援団体への支援

県外避難者帰還・生活再建支援補助金

県外に避難されている方が、安心して暮らし、将来的に帰還や生活再建につながるよう、県外の避難者支援団体などによる避難先での支援活動に対し助成を行っています。

県内避難者・帰還者心の復興事業補助金

県内で避難されている方や、避難指示解除等により帰還された方が主体的に参加し、人と人とのつながりや生きがいを持つための避難者支援団体などによる活動に助成を行っています。

福島県原子力損害対策協議会の活動

福島県では、原子力損害の的確な賠償が迅速かつ十分になされるよう、市町村や関係団体とともに福島県原子力損害対策協議会を2011年(平成23年)5月2日に設置し、国や東京電力への要望、要求活動を行っています。

要望活動の様子