村の避難を見守り、福島市で営業再開
震災翌月の4月に、村は計画的避難区域に指定されましたが、役場が福島市に移転した6月までお店を開け続けることができました。その後、友人らの協力を得て、7月16日に福島市で営業を再開。再開にあたっては、店内の清掃や周囲の整備など、たくさんの壁がありましたが、なんとか開店することができました。そこから5年8ヶ月の間、福島市での営業を続けました。
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[相双:飯舘村]
うどん店「ゑびす庵」
飯舘村の全村避難指示により福島市に拠点を移して営業を継続。帰村後は村内で営業を再開し、現在も多くの利用客でにぎわいを見せている。
昔ながらの手打ちうどんを
ふるさとに残す
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
震災翌月の4月に、村は計画的避難区域に指定されましたが、役場が福島市に移転した6月までお店を開け続けることができました。その後、友人らの協力を得て、7月16日に福島市で営業を再開。再開にあたっては、店内の清掃や周囲の整備など、たくさんの壁がありましたが、なんとか開店することができました。そこから5年8ヶ月の間、福島市での営業を続けました。
「ゑびす庵」は飯館村の老舗うどん店として長く愛されてきました。手でこねて、足で踏むという昔ながらの作り方のうどんは「懐かしい」、「昔ながらの味がする」と好評を得ました。避難先の福島市でも、多くの方々がうどんに舌鼓を打ってくれましたが、お客さんの中心はやはり飯舘村の方々。同郷同士の憩いの場所として集まってくれました。
避難指示解除後の平成29年4月、いち早く村での営業を再開しました。村で再開した飲食店は「ゑびす庵」だけ。避難先から村に戻る人も多くはないものの、家や畑を見に来る人たちが店を訪れました。その後、営業再開を報じるテレビや新聞を見て、県内外から多くの人が足を運んでくれるようになりました。
震災前から、「ゑびす庵」は地域の人々に親しまれてきました。風邪をひいた時は、ここのうどんを食べると治るという人がいるほどです。「ゑびす庵」が飯舘村に戻ったから自分も帰ることにしたと言ってくれる人もいました。
東京にいた息子が跡を継いでくれることになり、これからも元気にお店を続けたいと思っています。商いは飽きない。これからも村で店を開けてお客さんを迎えていきます。