いち早く帰還した町にできること
原発事故が発生した当時は、もうこの地域は無くなってしまうだろうと感じました。そういった危機感から、帰町してからは、ふるさとを未来につなごうという思いが強くなりました。広野町は、双葉郡の中では一番早く避難を解除したので、広野のやり方が今後の双葉郡の方針につながっていくと思い、気持ちを波及させ、貢献したいと思いました。
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[相双:広野町]
株式会社広野町振興公社 代表取締役
「広野町を多くの人に知ってもらいたい」と、高級バナナなど特産品の開発や、周辺市町村と連携したイベント開催などを行っている。
広野町を、浜通りを
未来につなげる
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
原発事故が発生した当時は、もうこの地域は無くなってしまうだろうと感じました。そういった危機感から、帰町してからは、ふるさとを未来につなごうという思いが強くなりました。広野町は、双葉郡の中では一番早く避難を解除したので、広野のやり方が今後の双葉郡の方針につながっていくと思い、気持ちを波及させ、貢献したいと思いました。
今、広野町では特産品としてバナナとコーヒーの生産をはじめています。これは「広野と言えばバナナ」という知名度を高めるための施策です。物珍しいだけでは一過性で終わってしまう。特産品を通して、町民が胸を張って、ふるさとを誇りに思ってほしい。「誇り」をつくっていくつもりで生産しています。
ふたば未来学園に通う生徒たちにとって、広野町は母校のある町。間違いなく思い出の一部となっていきます。青春ど真ん中の生徒たちに、心に残るものを残していきたい。町には、伝統芸能の復活に取り組む方もいます。こうした町の大人のエネルギーを感じてもらいたいですね。
双葉郡全域が観光の復旧に苦戦しています。ただ、二ツ沼公園やJヴィレッジなど、ポテンシャルを持つ素材はたくさんあります。令和2年は、いわき市・楢葉町と共催で、「広野JAZZ FEST 2020」を開催しました。さまざまな形で、浜通り全体で動いている姿を見せていくことが必要です。連携して地域の魅力を発信していけば、交流人口の拡大にもつながり、全体が活性化していきます。これからも連携を強めながらともに進んでいきたいと思います。