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秋田 英博 秋田 英博

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秋田 英博さん

[相双:広野町]

広野町消防団 団長

24歳から消防団に所属。地域の安心・安全を守るのは消防団の役目として、地域の巡回、団員の育成、減災活動、震災体験の伝承に取り組む。

最後は消防団

そういう存在であり続けたい

INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから

災害から地域を守るために

 消防団というと、華やかな出初め式を想像するかもしれませんが、平時から「地域のために」を念頭に、有事にそなえ上司からの指揮命令通りに巡回、防災訓練、機械やポンプ点検など多くの活動を行っています。日頃の訓練があってこそ、災害時に冷静に判断し、動くことができるのです。

家族と地域、どちらも大事

 震災発生後、私は消防団として3日間役場に詰めていました。役場に行くことを家族からは大反対されましたが、私にとっては家族も町もどちらも大事でした。最終的に私の意志を尊重して行かせてくれた家族には感謝しています。津波直後は不審者が多く、町のことを熟知している消防団が巡回しました。町の人と顔の見える関係だからこそできたことでした。

誰よりも町のことを知っているのが消防団

 広野町は双葉郡の中でも比較的早く避難指示が解除されました。戻る町民がまだ少ない中、行方不明になった家族を捜してほしいという依頼があり、無事発見に至ったケースもありました。消防団員が一致団結して早く見つけることができたのは、常に管轄する地域の状況を隅々まで把握しているからです。今後も、町民の安心・安全を守る「最後のとりで」としての役目を果たし続けたいと思っています。

次の災害のため、震災で経験したことを語り継ぐ

 地域の安心・安全を守るのは消防団だという強い思いがあると同時に、団員の安全も守らなくてはなりません。消防団の活動には家族や仲間の協力が不可欠です。同じ双葉郡内には助けられなかった命があります。今後、犠牲者を出さないために、震災での経験を語り継ぐのも消防団の役目です。「地域に根差す」消防団の魅力を伝え、仲間を増やしていきたいです。