ぬくもりのある木造仮設住宅
震災直後、福島・宮城・岩手の3県合わせて5万戸を超す仮設住宅が整備されることになりました。迅速な建設が求められましたが、膨大な数であるため、建設資材や人員の不足などの課題がありました。仮設住宅はプレハブが主流ですが、「板倉工法」と呼ぶ古代から受け継がれた技術を用いる木造住宅を提案して建設しました。
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[会津:三島町]
佐久間建設工業株式会社 代表取締役会長
東日本大震災と新潟・福島豪雨の際、国産材を利用する仮設住宅を建設。その後、使用された木材は再利用され、西日本豪雨の被災地でも活躍した。
地域の価値を創出し
交流を促し地域の発展へ
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
震災直後、福島・宮城・岩手の3県合わせて5万戸を超す仮設住宅が整備されることになりました。迅速な建設が求められましたが、膨大な数であるため、建設資材や人員の不足などの課題がありました。仮設住宅はプレハブが主流ですが、「板倉工法」と呼ぶ古代から受け継がれた技術を用いる木造住宅を提案して建設しました。
当社が関わった仮設住宅の木材は、復興公営住宅などにも再利用され、平成30年の西日本豪雨で被災した岡山県総社市に仮設住宅として移築。震災で自治体職員を派遣してくれた総社市への恩返しの意味もあり、福島県が無償で提供しました。困った時はお互いさま。携わった一人として誇りに思っています。
現在は一般社団法人「IORI倶楽部」の理事長として、地域に根付いた住まいづくりと、住み手を応援しています。地元の木材でカフェや宿泊施設の建設、古民家のリフォームなどで木造住宅の魅力を発信。今ではベンチャー企業の経営者や漫画家などの人材が町に住むようになりました。地域の価値を見つめ直すことで交流人口を増やし、ユニークな若い人材を受け入れることが、地域課題の解決策のひとつであると信じています。