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今野 万里子 今野 万里子

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今野 万里子さん

[会津:磐梯町]

NPO法人おーでらす 代表理事

「人も自然もイキイキと暮らせる地域づくり」をモットーに、鳥獣被害対策をはじめとして、自然とともに生きる生活スタイルを提唱している。

自然と人のバランスを保つ

地域の「人財」を育てる

INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから

鳥獣被害対策を柱に

 長野県の自然保護や動物の生態保護のNPO団体に所属しており、そのつながりでアルツ磐梯スキー場の付帯ホテルに転籍しました。観光客向けの自然体験プログラムの企画・運営を経て、平成23年6月に「おーでらす」を設立。人の価値観が変わった震災直後だからこそやる必要があると思い、独立に至りました。私たちが目指すのは、地元の人が自分の地域を好きになること。そのために山間部で問題になっている鳥獣被害の解決を柱として取り組んでいます。

会津の自然と人に惹かれて

 暮らしはじめた時、磐梯町の自然の色味に惹かれました。白と黒のモノクロの雪景色が、春になると野山が一斉にパステルに変わる。地元の千葉県にはない景色でした。そして最大の魅力は人。会津の三泣きといいますが、私は一泣き(会津人のとっつきにくさに泣く)を経験しませんでした。最初からあたたかく受け入れてくださって、人の縁や懐の深さに助けられました。

「人財」として地域の担い手を育成

 県の「鳥獣被害対策市町村リーダー育成モデル事業」で、どのように地域を守っていくかを考えるコーディネーターの育成に取り組んでいます。地域の中で内側から働きかけられる人材は地域の未来を守る宝、まさに「人財」です。自分の知識をアレンジして、地元の人に寄り添った対策を考え、葛藤する研修生たち。彼らが守る地域の未来は、素晴らしいものになると期待しています。

強い地域をつくるためのトライ&エラー

 最終的に、みんなが地域を好きになって自然とともに暮らせるようになれば、私たちの団体はいらないと思います。それは主体的に地域づくりが行われている証拠。当事者意識を持ってトライ&エラーを繰り返しながら地域をつくれるよう、促していくのが私たちの役割です。