避難者との交流は現在も続く
当館の建物に大きな被害はありませんでしたが、上下水道管が被災し断水して、約2ヶ月間、復旧作業に追われました。幸いにも自家源泉の温泉が出ており、復旧工事関係者の宿泊の受け入れや、川内村や富岡町から避難された方々の2次避難場所として、多い時で120人ほど受け入れることもできました。避難された方々とは一緒に施設敷地内の草刈りやヒマワリの植え付けなどを行い、家族のような関係を築きました。この交流は今でも続いています。
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[県南:泉崎村]
泉崎カントリーヴィレッジ 取締役支配人
野球場や体育館・プール・陸上競技場など、さまざまなスポーツ施設に隣接する泉崎カントリーヴィレッジ。毎年多くの合宿利用者を受け入れている。
滞在することで
現状を感じてもらいたい
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
当館の建物に大きな被害はありませんでしたが、上下水道管が被災し断水して、約2ヶ月間、復旧作業に追われました。幸いにも自家源泉の温泉が出ており、復旧工事関係者の宿泊の受け入れや、川内村や富岡町から避難された方々の2次避難場所として、多い時で120人ほど受け入れることもできました。避難された方々とは一緒に施設敷地内の草刈りやヒマワリの植え付けなどを行い、家族のような関係を築きました。この交流は今でも続いています。
県南エリアは、さまざまなスポーツ施設が充実しています。関東圏とのアクセスの良さと、雪が少ない穏やかな気候が魅力で、震災前は大学生から小・中・高校の部活動の合宿地として人気でした。震災後に減少した教育旅行や合宿団体の受け入れ回復のため、現在は「福島県南ホテル連合会」を結成し地域連携を図り誘致活動を行っています。
東北の復興を後押しするため、日本少年野球連盟が東日本選抜大会を平成23年10月に県南エリアで開催しました。二千数百人が集う大会のため、宿泊も食事もひとつのホテルだけでは受けきれません。そこで県南のホテルの有志が集まり、この大会で力を合わせて連携し成功裏に収めたことが、連合会発足のきっかけとなりました。合宿誘致に必要なホテルと体育施設の予約手配を一括で行うワンストップ窓口となる事務局を設け、共に県外へ誘致活動を行うなど、それまではライバルだった施設同士が、地域全体を活性化するため同じ目的意識のなか活動しています。
合宿や大会などで滞在すれば、今の福島を感じ取ってもらえるはずです。ふくしまで学び、鍛え、仲間と食事を共にすることで、生の声がそれぞれの地元で広がっていくことを期待しています。また、福島県が推奨する「ホープツーリズム」との連携も模索中。震災と原発事故を経験したからこそできることがあると思います。これからも教育旅行や合宿の回復を目指していきます。