地震発生直後の直感
白河広域消防管内では最大震度6強の地震が発生。経験したことのない大きな揺れに、大災害の嫌な予感がしました。揺れが収まるたびに救助を求める連絡がいくつも入ってきて、地域の混乱が伺えました。直ちに災害対策本部を立ち上げ、状況を把握するために各地へ急行しました。消防長は最前線で現場を取り仕切り、総務課長は情報収集や関係団体への協力要請に努めました。
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[県南:西郷村]
白河広域消防本部 元消防長
震災当時、相川氏は白河広域消防本部消防長として指揮を取り、人命救助に尽力。4月からは総務課長であった大倉氏が同職を引き継ぎ、復旧・復興に尽力した。
「協力に感謝」を胸に
災害に負けないまちづくり
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
白河広域消防管内では最大震度6強の地震が発生。経験したことのない大きな揺れに、大災害の嫌な予感がしました。揺れが収まるたびに救助を求める連絡がいくつも入ってきて、地域の混乱が伺えました。直ちに災害対策本部を立ち上げ、状況を把握するために各地へ急行しました。消防長は最前線で現場を取り仕切り、総務課長は情報収集や関係団体への協力要請に努めました。
災害対応を通して、関わった方々への感謝は今でも忘れません。
偶然居合わせたDMATのドクターが救助支援を申し出てくださった時は心強く、白河市の葉ノ木平の土砂崩れの現場ではともに救助にあたりました。また、迅速かつ細かい災害対応ができたのは、各消防団員や関係機関のおかげです。われわれ消防職員だけでは絶対に乗り越えられませんでした。
地震の被害を受けて、管内11ヶ所中9ヶ所の庁舎が亀裂などの被害を受けました。このままでは住民を守る機能を保てないため、新たに最新の無線システムと防災機能を搭載した通信指令センターを改築。このシステムは地域防災の要としての役割を全うしています。令和元年東日本台風の避難誘導などでも活躍しました。
震災をきっかけに高い防災意識を持った職員が多く入隊しています。また女性職員も増えました。これは多様化する災害に対応するノウハウや環境が整ってきた現れだと思います。これから必要なのは災害に負けないまちづくりです。こうした課題に対して新しい人材は頼もしい希望の光となるでしょう。