混乱が続いた平成23年
当協議会は、平成17年4月に設立され、二本松市東和地域で活動している有機農業者の団体です。震災後は目に見えない放射性物質と向き合う日々でした。当時の理事長が田畑の実態調査をすると決め、調査研究支援のために土壌の専門家がこの地域を訪れました。土壌や森林の測定と同時に、農作物に含まれる放射性物質の測定器も導入。道の駅「ふくしま東和」で販売する農産物の安全を確認したのちに販売する仕組みは、現在も継続して取り組んでいます。
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[県北:二本松市]
NPO法人ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会 相談役
6次産業化に取り組んでいた桑を、原発事故後、安全な商品として生産するために改植。また、農家民宿や移住者の支援を積極的に行い大きな効果を生んでいる。
交流人口増加、移住推進
人の流れをつくり強い里山を
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
当協議会は、平成17年4月に設立され、二本松市東和地域で活動している有機農業者の団体です。震災後は目に見えない放射性物質と向き合う日々でした。当時の理事長が田畑の実態調査をすると決め、調査研究支援のために土壌の専門家がこの地域を訪れました。土壌や森林の測定と同時に、農作物に含まれる放射性物質の測定器も導入。道の駅「ふくしま東和」で販売する農産物の安全を確認したのちに販売する仕組みは、現在も継続して取り組んでいます。
当協議会では、新規就農者の育成に注力しています。希望者には生産に関わりながら農作業を学んでもらい、農地を紹介。定住希望者のための住居探しも手伝います。新規就農者を雇用して土地の復元作業を手伝ってもらい、加工食品に適した品種の植え替えをしながら、桑の葉や実の加工商品を開発、販売してきました。桑の加工場は、地域に住む高齢者や新規就農者の農閑期の就業先としても機能しています。
都市交流のための民宿をはじめようという動きは震災前からありました。「東和に泊まろう!」というタイトルで始まったこの取り組みは、震災後、調査研究のために訪れる学者や大学生、視察に来られる方々に利用されました。現在は20軒以上の農家民宿が開業し、この地を訪れる人たちの憩いの場になっています。
中山間地域である東和地区は高齢者が多いです。高齢者が生きがいをもって暮らしていくことが大切で、当協議会がそのお手伝いをさせていただければと考えています。また、新規就農者として移住する人や農業体験に訪れる学生さんを見た子どもたちが、自分の生まれ育ったところを好きになる。そういう地域になっていけたらと考えています。