故郷へ戻ると決めた時に震災が発生
大学院を修了し、土木関連の企業で働いていました。地元へ帰ろうと真剣に考えていた時に東日本大震災が起きました。事態の大きさに驚き、会社を辞め、気がついたら仲間を集めて、支援物資の搬送などに取り組んでいました。平成23年11月には郡山市に移り、さまざまな仕事を経験しながら、復興に関わるNPO活動にも取り組みました。
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[相双:葛尾村]
一般社団法人 葛力創造舎 代表理事
震災後、故郷である葛尾村にUターン。自然豊かな村での暮らしの意義を見つめ直し、人材育成を中核に地域づくりに取り組んでいる。
幸せな暮らしとは何か
地域づくりを模索
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
大学院を修了し、土木関連の企業で働いていました。地元へ帰ろうと真剣に考えていた時に東日本大震災が起きました。事態の大きさに驚き、会社を辞め、気がついたら仲間を集めて、支援物資の搬送などに取り組んでいました。平成23年11月には郡山市に移り、さまざまな仕事を経験しながら、復興に関わるNPO活動にも取り組みました。
全村避難となった状況で、村にとって大事なことは何か、何が求められているのかを考えた末、同じ志を持つ仲間を集めて、平成24年に葛力創造舎を立ち上げました。村は人口減少、高齢化が顕著で、際立った産業もなくネガティブな印象ばかりが目立ちました。しかし思いやりがある人が多く、豊かな自然もある。そこで、良き伝統を継承し新たな価値を創造する、という目標を掲げました。
持続可能なコミュニティをつくるためには、人材が必要です。その人材を「村の暮らしを尊重できる人。自然や人とのつながりを大切にし、村で一緒に生活し続けられる人」と位置付けました。この理念を理解してもらうため人材育成事業に力を入れ、主体性を持つ人材の発掘と育成、自立・自走できるためのスキルアップなどに注力しています。
全村避難が解消された平成28年、村内に事務所を構えました。特産物を使った6次化商品の開発や宿泊施設の運営などに取り組んでいます。今後は、大量生産の売り上げ至上主義ではなく、村が継続的に発展できるようなブランド化を進めていく予定です。さらにシンクタンクとしての機能を持ち、総合的に情報を発信したいと考えています。村の未来のために全力で走り続けます。