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佐藤 秀三 佐藤 秀三

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佐藤 秀三さん

[相双:浪江町]

浪江町行政区 区長会 会長/チームなみえG&B会長

平成29年の避難指示解除後にいち早く帰町。帰町した町民や移住者、支援者など、さまざまな立場の住民の相談相手となっている。

下の名前で呼び合う仲に

新しいまちづくりを見守る

INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから

覚悟して戻ってきている町民たち

 私は自称、帰町一番乗りって言ってるんですよ。町に戻るための「準備宿泊」の名簿の一番なんです。避難指示解除後、初めに浪江に戻ってきた人たちは、不便さ不安さは覚悟の上ですよ。「不便はないですか?」と聞かれますが、私には言うほど不便を感じません。帰町した町民の中には、避難先などで「浪江に帰ることが生きがい」と言っていた人たちもいます。帰町できるようになったからこそ、今後の生きがいのためにさまざまな相談に乗っています。

子どもたちのための活動を

 「チームなみえG&B」の「G」はじいちゃん、「B」はばあちゃんという意味。避難指示解除後、新しい小中学校ができるときに学校周辺に花を植えました。当初は生徒が8人くらい。G&Bや支援の大学生たち合わせて250人くらいが集まって運動会を盛り上げたりもしました。子どもたちを励ましたいと思ってやっていますが、逆に元気をもらっています。

身の丈に合ったまちづくり

 災害があっても人がその地に住んでいれば復興する、そういった意味では、私にとっての復興は8割達成しています。帰町した人と、新しい住民である復興従事者や移住者とともに、身の丈に合ったまちづくりをしていかなければと思っています。浪江町は歴史的にも、他から来る人を拒まない気質があるんです。今、町に移住してくる人は、町の人と関わってから入ってくる人が多いから、町の中でも孤独ではないと思います。

人口が少ない今がチャンス

 浪江町が外から憧れられる町になるのが町としての復興だと思います。今の町の人口が1,600人ですから、一人一人の名前を覚えて、気配り、気遣いができれば、「自分を思ってくれる人がこれだけいる」という安心感、喜びが生まれます。住民が少ない、今がチャンス。町の人がお互いを下の名前で呼び合えるような関係を築きたいです。