仮設住宅で続けたダルマ市
ダルマ市は、毎年1月の第二土曜日から2日間開催される双葉町の新春恒例の伝統行事です。いわき市にできた仮設住宅で、消防団の仲間と再会し「ダルマ市をやろう!」と動き出しました。とはいえイベントの運営は未経験。そこで当時、埼玉にあった町役場に何度も何度も足を運び、役場から許可を得て双葉町から大きなダルマを1基持ってきました。「ほんとにやるの?」と最初は半信半疑だった人たちが、当日は久しぶりの再会に涙を流して抱き合う姿や、子どもたちの笑顔を見ることができました。
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[相双:双葉町]
夢ふたば人 会長
双葉町のダルマ市を避難先で開催。双葉町の伝統行事を途切れることなく開催することにより、町民の絆の維持・発展に取り組んでいる。
震災があっても
途切れずに続けたダルマ市
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
ダルマ市は、毎年1月の第二土曜日から2日間開催される双葉町の新春恒例の伝統行事です。いわき市にできた仮設住宅で、消防団の仲間と再会し「ダルマ市をやろう!」と動き出しました。とはいえイベントの運営は未経験。そこで当時、埼玉にあった町役場に何度も何度も足を運び、役場から許可を得て双葉町から大きなダルマを1基持ってきました。「ほんとにやるの?」と最初は半信半疑だった人たちが、当日は久しぶりの再会に涙を流して抱き合う姿や、子どもたちの笑顔を見ることができました。
300年以上続くといわれる伝統行事のダルマ市を続けないと町は終わると思い、震災後に団体を設立しました。双葉町のことを、なんとしてでも忘れてほしくない。町民のみんなに「双葉町に帰れる!」という夢を与えたいという思いで「夢ふたば人」と名付けました。
町に戻るまで時間がかかるという予感はしていましたし、10年たった今も複雑な思いは抱えています。ただ震災があって夢ふたば人をつくったことで、双葉町の住民だけではなく、ほかの地域の人たちと触れ合えたことも事実です。地域の方との交流が生まれていくと、双葉町民以外の方からも「ダルマ市を楽しみにしている」という声をいただくようになり、とても励みになっています。
双葉町では令和4年春の住民帰還に向けて、環境の整備が進められています。住民が帰還したら、昔のように町が主催するダルマ市になってほしいと願っていて、自分たちはそれまでのつなぎ役だと思っています。それがかなったら、夢ふたば人も形を変えて町のにぎわいのために活動できたら本望です。