避難所で見た自治の精神に感動
震災翌日、一部の大熊町民は田村市の避難所に入りました。混乱が続く中でも、避難者は自発的にボランティア組織を立ち上げ、ゴミ捨ての管理や生活のルールづくりなど、町民主体で自治を形成。こんな時だからこそ助け合おうとする、大熊町民の団結を感じて頼もしく思いました。それに刺激を受けて私自身も、地域にできることを日常的に考えるようになりました。
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[相双:大熊町]
元NPO法人ふるさと応援隊/大熊町ふるさと応援団
大熊町から元気と希望を発信するためにNPO法人ふるさと応援隊を結成し、町内バスツアーの企画や情報誌の発行などに取り組んでいる。
大熊町の今を伝えて
ふるさとに関わる人を応援
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
震災翌日、一部の大熊町民は田村市の避難所に入りました。混乱が続く中でも、避難者は自発的にボランティア組織を立ち上げ、ゴミ捨ての管理や生活のルールづくりなど、町民主体で自治を形成。こんな時だからこそ助け合おうとする、大熊町民の団結を感じて頼もしく思いました。それに刺激を受けて私自身も、地域にできることを日常的に考えるようになりました。
長引く避難生活の中で「故郷の原風景や大好きな海や山を見たい」という声を聞くようになりました。そこで平成26年にNPO法人ふるさと応援隊を結成して、町民向けの里帰りバスツアーを実施。涙を流して車窓を眺める参加者を見て、町民の支えになれるよう頑張ろうと改めて奮起。町民向けの情報誌「ふるさと通信」を発行して、避難先で離れ離れになった町民に届けて、故郷とのつながりの維持に努めました。
大熊町が大川原地区に役場を移した平成31年にNPO法人ふるさと応援隊は解散し、任意団体ふるさと応援団として再スタートしました。町内に一軒家を借りて、草刈りや環境保全のボランティアの方に宿泊場所として提供したり、学生の勉強会などで活用しています。多くの人が大熊町に関心を持ち訪れてくれています。
現在、町としても交流施設の建設が進み、新しいまちづくりに取り組んでいます。私たちも主体的にアクションを起こして参画していく必要がある。若者が大熊町でたくさんのことを見て聞いて、自分自身ができること探してくれることはありがたいことです。これからも大熊町に思いを寄せる皆さんを応援して見届けたい。ここを訪れる人のために行動することが私の生きがいです。