かわうちラボの設立
川内村は震災後、平成24年に帰村宣言してから、田村市など広域地域と連携して、独自の村づくりを進め、村に活気を生み出してきました。中山間地域にもかかわらず交流人口が拡大し、居住人口も右肩上がりでした。しかしここ数年は停滞しており、黙っていれば地域は衰退していく。そんな中、行政ではできない役割を担うために令和元年にかわうちラボが設立されました。
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[相双:川内村]
一般社団法人かわうちラボ 事務局長
川内村の復興対策課長を経て、環境省福島地方環境事務所で除染と廃棄物処理を経験。令和元年7月から、かわうちラボの事務理事兼事務局長を務める。
川内村からはじめる
復興からの新しい村づくり
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
川内村は震災後、平成24年に帰村宣言してから、田村市など広域地域と連携して、独自の村づくりを進め、村に活気を生み出してきました。中山間地域にもかかわらず交流人口が拡大し、居住人口も右肩上がりでした。しかしここ数年は停滞しており、黙っていれば地域は衰退していく。そんな中、行政ではできない役割を担うために令和元年にかわうちラボが設立されました。
かわうちラボは、川内村が復興から新しい村づくりの段階に入っている中、村の資源を生かし、村内の団体や組織をつなぐことで、新たな村の魅力を創出し、公益・収益事業につなげることを目的に活動しています。私は元役場職員で復興対策課にもいましたから、ラボ立ち上げにも関わり、今は事務局長をやっています。
震災当時は役場で総務課長でした。富岡町民の避難受け入れから、全村避難、ビッグパレットふくしまでの避難者対応をすべて行い、翌年からは復興対策課長として定年まで働きました。退職してからもまだ気力も体力もあると感じ、この地方の役に立てればと、環境省の福島地方環境事務所で課長補佐として、除染実施と廃棄物処理を担当しました。そこで得た知見や近隣自治体とのつながりは今の仕事にも大いに役立っています。
交流人口を増やすため、「川内の郷 かえるマラソン」など、川内の魅力を知ってもらえるイベントには力を入れています。川内の魅力は、なんと言っても大自然と、その中でくつろげるいわなの郷や温泉施設などがあることです。外部への情報発信を強めるためにも、ラボが、今ある村の組織と連携し、「この仕事はラボにしかできない」というくらいの力を発揮できるようになることが重要だと思っています。