学生ボランティアからまちづくり会社へ
初めて福島に来たのは、平成25年2月です。大学の学生ボランティア団体「そよ風届け隊」として、いわき市に避難していた楢葉町民の下へ通いました。町の人たちと繋がりを深める中で、楢葉町の人たちの思いを理解している気になっていたんです。避難指示が解除されたら、みんなそろって町に戻ると思い込んでいたのですが、そうではなかった。もっと町の人たちのことを知りたい、知らなくてはと思い、避難指示が解除される年に合わせて休学し、ならはみらいで働くことにしました。
071
[相双:楢葉町]
一般社団法人 ならはみらい
立命館大学在学中に学生ボランティア団体「そよ風届け隊」として避難中の楢葉町民と関わり、その後楢葉町に移住して(一社)ならはみらいに入社。
楢葉町の「推し」は
一人一人の町の人たち
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
初めて福島に来たのは、平成25年2月です。大学の学生ボランティア団体「そよ風届け隊」として、いわき市に避難していた楢葉町民の下へ通いました。町の人たちと繋がりを深める中で、楢葉町の人たちの思いを理解している気になっていたんです。避難指示が解除されたら、みんなそろって町に戻ると思い込んでいたのですが、そうではなかった。もっと町の人たちのことを知りたい、知らなくてはと思い、避難指示が解除される年に合わせて休学し、ならはみらいで働くことにしました。
平成27年4月から、町に関わり、日常生活が戻ってきている場に立ち会いました。小さな一歩一歩が大きく感じられる、そんな喜びの中で働いていました。帰町や避難の継続などで、町民同士で意見の相違が生まれる場面もありましたが、震災を経験していない私は、さまざまな思いを聞く機会が多くありました。楢葉町で働き、楢葉町の人たちの思いを知るようになりました。
楢葉町の人たちは一旦、町から離れざるを得なかったため、客観性を持って生きているように感じます。特別ではなくても、それぞれの個性が生きて、輝いている。それが私には魅力に映ります。当たり前の日常を取り戻し、納得して生きていってほしい、そのサポートができればと思っています。
たくさんの町民の方とのつながりができた上に、この町で家族を持ちました。楢葉町は、私が生きていく町。この町でこの町の人たちとどう楽しく生きていくか、「震災」や「まちの未来」というものに縛られ過ぎず、固定概念を捨てて自分たちのやりたいこと、住みたいまちを実現させていきたいと思っています。