できる支援からはじめよう
震災当日、ぐらぐらっときた時に「これは普通の地震じゃないぞ」と直感がありました。問屋から、これだけ大きな地震なので物が供給できなくなるのではないかと問い合わせが入りました。直接的な被害を受けなかったわれわれは避難所に行き、うどんの提供をはじめました。観光物産協会や田島料飲組合、会津高原だいくらスキー場などの協力を得て大きな避難所にも行きました。
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[南会津:南会津町]
南会津町観光物産協会 会長/株式会社奈良屋 代表取締役
南会津町風評被害対策委員会の中心的存在として、観光分野で多くの取り組みをけん引。
南会津町が持っている
魅力を観光に生かす
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
震災当日、ぐらぐらっときた時に「これは普通の地震じゃないぞ」と直感がありました。問屋から、これだけ大きな地震なので物が供給できなくなるのではないかと問い合わせが入りました。直接的な被害を受けなかったわれわれは避難所に行き、うどんの提供をはじめました。観光物産協会や田島料飲組合、会津高原だいくらスキー場などの協力を得て大きな避難所にも行きました。
震災後、南会津町は南相馬市の避難地域に指定されました。そこで町自慢の米や作物で炊き出しを行いました。おいしい食事を届けることで、不慣れな土地での生活に不安を抱く避難者の皆さんに「南会津町は住みやすい町だよ」と分かってもらいたかった。「南会津町が持つ魅力で何ができるか」と本気で考えたのは、この時が初めてだったかもしれません。
原発事故による風評の影響で、その年の夏ギフトの注文はキャンセルが相次ぎました。この状況を打開すべく、南会津エリアの4町村合同で都内イベントを開催。東京の人にそばを食べてもらうだけではなく、出し物を企画して、南会津町は会津田島衹園祭の屋台歌舞伎を実演しました。たくさんのお客さんが来てくれて感動したのを覚えています。
都会の人たちがここに来ると「のんびり釣りができて気持ちよかった」「空気がうまい」と非常に満足されて帰っていきます。この町に住んでいないけれど、しょっちゅう遊びに来る人はいます。町に観光施設や資源がなくても、観光になるような環境整備からはじめていくことで地域を盛り上げていきたいです。