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  1. 知事メッセージ
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五十嵐 賢次 五十嵐 賢次

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五十嵐 賢次さん

[会津:会津美里町]

NPOあいづ関山倶楽部代表理事

町役場職員時代から地域の文化を後世に残そうと活動を開始。NPOを立ち上げ古民家の再生を軸に農業体験を企画して、里山の豊かな暮らしを伝え続けている。

古民家再生に活路

地域づくりにまい進

INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから

活気がなくなることを懸念

 合併前の会津本郷町役場に入庁。役場職員としてさまざまな部署で勤務しました。私が暮らしている地区は下野街道沿いの町南部に位置し、かつては宿場町として知られていましたが、時がたつにつれ地域全体に活気がなくなっていくことに気が付きはじめました。空き家が目立ち若い人の姿が見えない状況は寂しいものでしたね。

地域の歴史を資料として残す

 役場職員として働くなかで、「地域を何とかしなければ」と漠然と考えるだけではいけないと気付き、行動を起こすことにしました。平成19年頃から、地区の住民が集い「関山村づくり実行委員会」を設立し、休日を利用して間伐材を使った地区の看板作りに注力。さらに地域の石仏や遺跡、伝統行事などに焦点を当て紹介する冊子「モリアオガエル」の編集をはじめました。地道な取り組みでしたが、歴史の貴重なひとコマを残せたと考えています。

空き家を活用する事業を展開

 平成21年には、集落内の大農家の空き家の再利用に着手。かやぶき屋根にトタンをかぶせ、福島県産材をふんだんに使った施設「蛍の宿こぶし荘」として、「農業体験」をキーワードに、田植え、山菜取り、草刈り、稲刈りなど四季折々の盛りだくさんのメニューを提供し、田んぼのオーナー制度は令和2年で10期目を迎えました。

楢葉町との交流を継続させたい

 東日本大震災後、町に避難していた楢葉町の皆さんとの交流を続けようと、令和元年にまちづくりBプラスという別団体を立ち上げ、「キボウのアカリ」というイベントを初めて開催しました。犠牲者を追悼し、楢葉町名物の「マミーすいとん」を振る舞いました。地域活性化を目指して活動する中で経験した東日本大震災。大切なことは人と人とのつながりだと感じています。今後も町内に限らず、他の地域とも交流を続けていきたいと考えています。