風評払拭のために出したアイデア
震災による風評払拭のために、県内の日本酒の放射性物質検査をして安全性をアピールしました。しかしそれだけでは安心の発信にはなりませんでした。そこで目指したのが全国新酒鑑評会で日本一を取ることでした。つまり、福島県の酒は素晴らしいものだと、第三者の目線で評価してもらうのです。最初に日本一になった時の気持ちは、もちろん「やった!万歳」でした。
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[会津:会津若松市]
末廣酒造株式会社 代表取締役社長
一般財団法人会津若松観光ビューロー 理事長
会津若松酒造協同組合および福島県酒造組合理事長として県産日本酒の風評払拭に尽力。現在は会津若松観光ビューロー理事長として酒や地域の魅力をPR。
日本酒はマーケットの拡大
観光はまず地元から
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
震災による風評払拭のために、県内の日本酒の放射性物質検査をして安全性をアピールしました。しかしそれだけでは安心の発信にはなりませんでした。そこで目指したのが全国新酒鑑評会で日本一を取ることでした。つまり、福島県の酒は素晴らしいものだと、第三者の目線で評価してもらうのです。最初に日本一になった時の気持ちは、もちろん「やった!万歳」でした。
功績の影には福島県清酒アカデミー職業能力開発校の存在が大きいです。県内の酒蔵が、清酒アカデミーで技術を鍛錬。一緒に学んでいくうちに仲間意識が生まれて、お互いの技術を共有して切磋琢磨する環境があります。みんなライバルでありながら、連携し合える関係性が築かれています。
福島県の日本酒のレベルの高さは確立されました。そこからは地道にブランド力を上げ、継続していくことと、福島県の日本酒はおいしいということの定着化が重要です。競争によって県内の日本酒のレベルは常に上がってきているし、杜氏の腕も上がっています。海外に営業所をもつ企業と連携して、その魅力を世界にも発信していきたいですね。
観光も会津若松の魅力のひとつです。観光とは、その地域の光を見ること。つまり市民が自慢できる宝を発見することです。市民は心の希望として鶴ヶ城に集い、花見をして癒やされる。お殿さまの別荘だった御薬園をライトアップして市民が楽しむ場所をつくれば、観光客は自然に来る。まずは地域の宝を発掘すること。そんな発想が会津若松市の観光、発展のヒントかもしれません。