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  1. 知事メッセージ
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平賀 茂美 平賀 茂美

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平賀 茂美さん

[会津:会津若松市]

会津東山温泉原瀧・今昔亭 総支配人/東山温泉観光協会 副会長

地元観光関係者をとりまとめ、地域が一体となっての誘客プロモーションや、おもてなしの実行を先導。原発事故の風評払拭と震災復興に大きく貢献した。

地域力を高めることで

観光の魅力も増してくる

INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから

避難者受け入れで気付いた温泉地の役割

 会津東山温泉の17旅館は震災後、大熊町の方々を中心に1,997名の避難者を受け入れました。2次避難所としての役割を果たす中で気付かされたのは、温泉は人を元気にさせる効能を持つことや、不特定多数のコミュニケーションを形成する場であるということでした。その時、温泉地がもともと持つ存在意義に気付いたのです。

インバウンドがもたらすさまざまな可能性

 1月~4月に大型の休暇があるアジア系のお客さまや、欧米から来るバックパッカーなどインバウンドのファンを増やすための取り組みにも力を入れたいと考えています。日本のお客さまが少ない時期の誘客をうながすことで、1年を通して安定した誘客が可能になると思います。そして、そうしたお客さまが旅の楽しさをSNSで発信してくれれば、福島県の風評の払拭にもつながると信じています。

より価値ある地産地消を提供する

 平成28年から近隣の農業者から農地を借りて「会津東山温泉里山農園」をオープンしました。自分たちで栽培した野菜を旅館料理に活用することで価値が高まります。また地元農家と交流を深め、観光だけでない地域づくりを展開する好機になると考えました。農地で収穫した豆を、豆腐や納豆に加工してお客さまに提供したい。将来は専門業者さんの手を借りて、東山温泉の空き旅館や空き家を活用して加工場も作りたいです。

温泉地から発信するまちづくり

 観光はまちづくりです。街の特徴が、そのまま観光に反映される。観光をどうするかということは、どういう街をつくりたいかにつながります。地域の方と一緒に意見を出し合っていかなくちゃいけない。街と観光は分けられない。そういうことが意識できるようなまちづくりを温泉地から発信していきたいと思います。