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熊田 孝子 熊田 孝子

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熊田 孝子さん

[県南:矢祭町]

矢祭町特産品開発協議会

野菜の出張直売所「もったいない市場」を立ち上げ、販売員としてプロジェクトを運営。県内産野菜の信頼回復・風評払拭に取り組んでいる。

新鮮野菜を積んで出発!

出張直売「もったいない市場」

INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから

町のモットー「もったいない」

 矢祭町では「もったいない」を合言葉にした施策に取り組んでいます。平成21年に「もったいない野菜販路拡大推進事業」が発足し、その一環として企画されたものが「もったいない市場」です。形が悪く規格外となった野菜を農家から仕入れ首都圏で販売。首都圏と矢祭町の交流拡大を目的としたプロジェクトでした。

町自慢の野菜で一躍話題に

 活動をはじめた頃は、3台のワゴン車に積んだ野菜が1日で売り切れるほど盛況でした。お客さんが求めているものは鮮度。自慢の朝採り野菜のおいしさを引き立てるレシピや保存方法を教えたり、お客さんとコミュニケーションをとることで、徐々に常連客が付くようになりました。出張先での出会いも活動の楽しみのひとつです。多いときは週に4日も出張直売に出ていました。

厳しい現実に直面したときに差し伸べられた手

 震災直後の平成23年4月から活動を再開しましたが、持ち込んだ野菜をそのまま持ち帰る日々が続きました。とてもショックでした。けれど、私たちにできることは地道に活動を継続することでしたし、応援してくださる方もたくさんいました。出店場所を提供していただいたり、一緒に矢祭町の野菜をPRしていただいたり。そのおかげで今では震災前と変わらない盛況ぶりです。まさに町が目指していた農都のつながりが実を結んだ結果だと思います。

農都交流のきっかけに

 最近、常連客から「生産者に会ってみたい」「農業の現場に行ってみたい」という声をいただきます。こちらから出向く出張直売だけではなく、首都圏から人を呼び込むチャンス。いずれは農泊や農業体験で、町の交流人口拡大につながる取り組みをしたい。私たちの活動により、生産者と消費者、農村と都市がつながるきっかけができてうれしいです。