だるまが自分のアイデンティティー
小さい頃のあだ名は「だるま」。都内の大学に進学した時に「だるまを買ったことがある人はいますか?」と聞くと、誰も手を挙げなかった。白河市の実家にいたときとは違う反応に危機感を覚え、少しでも家業の役に立ちたいという気持ちで大学生のうちからだるまの営業をはじめました。
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[県南:白河市]
白河だるま総本舗 十四世
大手企業とのタイアップデザインや、環境に優しいだるまを開発するなど、新規事業に挑戦し続け、伝統産業の新しい市場を生み出している。
だるまが好き!
白河だるまはもっと好き!
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
小さい頃のあだ名は「だるま」。都内の大学に進学した時に「だるまを買ったことがある人はいますか?」と聞くと、誰も手を挙げなかった。白河市の実家にいたときとは違う反応に危機感を覚え、少しでも家業の役に立ちたいという気持ちで大学生のうちからだるまの営業をはじめました。
本格的に家業を受け継ぎ、だるまの原料を見直したり、白河だるまのカプセルトイを作ったりしてきました。白河だるま総本舗の創業者である渡辺金七の屋号「瓦屋半次郎」にあやかって命名したブランドでオリジナル商品を販売しています。令和3年春には、来て、見て、楽しんでいただく観光施設「だるまランド」を市内でオープンする予定です。
震災をきっかけに新しいことへの挑戦や変化に対して、良い意味で前向きに評価されるようになりました。僕が白河市に戻り、さまざまなことにチャレンジできるのは、こうした時代の変化がタイミング的にも合ったのだと思います。
だるまを入り口にして白河だるまを知っていただく。単純に縁起物だけだと、生活の変化によって簡単に消えていってしまう恐れがあります。次代に残すためには用途や機能性を持たせ、使用され続けるものに仕上げることが大事。産業として残るためにどうしたらいいのかを常に考えています。だるまが持つ「不屈の精神」や「七転び八起き」という言葉を50年、100年先に生かしていけるかは、自分たちにかかっていると思います。