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和田 和久 和田 和久

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和田 和久さん

[県中:鏡石町]

かがみいし田んぼアート実行委員会 実行委員長

町を明るく元気にしようとの思いで発足したグループの現在のリーダー。田んぼアートを「観る」からはじまり、「食べる」へと進化させ、更なる発展を目指している。

コメが育ってユメになる。

それが田んぼアート

INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから

震災でつまずいたスタート

 町の活性化を図るため、農業と観光が連携した田んぼアートに取り組むことになりました。
準備を進め絵柄を決め「さぁ、頑張ろう」と意気込んでいた直後に震災が発生。漠然とした不安に加え、地震により用水路が破壊され、中止を余儀なくされました。出鼻をくじかれた状態でしたが、翌年に「福幸(復興)のシンボル」となるよう願いを込め、スタートすることができました。

田んぼアートを通した“福幸”(復興)

 この田んぼアート事業は、作成で大変重要な育苗、測量を地元の岩瀬農業高校の生徒が担ってくれています。また、田植え、稲刈り作業時には、イベントを行い、子どもからお年寄りまで多くの町内外の方が参加します。子どもが泥だらけではしゃぐ姿を見ることが一番の喜びであり、田んぼアートが福幸(復興)のシンボルとなったのかなと思います。

田んぼアートを起点とした町おこし

 田んぼアートで獲れた米は、保育所などの給食や町内小中学校と岩瀬農業高校の生徒への卒業祝として振舞うなど「食育」にもつながっています。
また、田んぼアート米を加工してできた米粉を活用し、米粉パンやシフォンケーキなどを町内のまちの駅や店舗で販売しており、今後は、町内飲食店との更なるコラボレーションを考案中です。田んぼアート事業の「観る」、「食べる」から更に町を発展させていければと思っています。

国内外から来訪し喜びを分かち合う

 鏡石町の田んぼアートは立体的であることが特徴で、図書館で観覧できることから「窓から眺める絵本~もう一つの図書館~」をコンセプトに、絵柄は「桃太郎」、「かぐや姫」などほのぼのとした童話を主体に8回作成してきました。緻密な測量に手間をかけて迫力のあるものに仕上げています。収穫後にはペットボタルによるイルミネーション「きらきらアート」として楽しんでもらい、年間を通して魅力をPRしています。初年度約700人だった来場者は、ここ数年、2万人を超え、県内外の方や外国からも足を運んでもらえるようになりました。