郡山駅の機能が止まる
福豆屋は大正13年に祖父が郡山市に創業した駅弁屋です。地震によって電車の運行は一時ストップ。幸いにも、工場のライフラインは機能していたので、出勤できる従業員と共に翌日からあるだけの材料を使って地域やJRの復旧に携わっている方々に駅弁をお届けしました。
016
[県中:郡山市]
株式会社福豆屋 専務取締役/福の島プロジェクト会長
老舗弁当屋を経営。震災後、食の安全とおいしさをPRするために積極的にキャラバン活動に参加。「福の島プロジェクト」を発足し、福島の食の可能性を広げている。
駅弁屋という仕事を通して
未来につなげる
INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから
福豆屋は大正13年に祖父が郡山市に創業した駅弁屋です。地震によって電車の運行は一時ストップ。幸いにも、工場のライフラインは機能していたので、出勤できる従業員と共に翌日からあるだけの材料を使って地域やJRの復旧に携わっている方々に駅弁をお届けしました。
「福の島プロジェクト」は、NPO法人プロジェクト福島屋商店を中心に、福島県内で復興支援に携わる団体、農業者、加工業者が一丸となって設立。福島県産品の安全性や品質の良さ、おいしさを県内外に伝える活動をしてきました。食に関わる人々の情熱により国や組織の垣根をこえて思いをお届けできたと思います。これまで多くの方のご支援・ご協力に支えられました。10年間の活動によって、普段は連携できないようなさまざまな方とつながることができました。
平成26年から3年間にわたる「ふくしまデスティネーションキャンペーン」では、福島県内の7つのエリアが一丸となって、温泉や歴史や伝統文化などをアピールし、私たちは特に食の魅力を発信しました。県内関係者が総出で東京に行くときは100人以上でキャラバンを組むなど、連帯感と勢いがありました。キャンペーンに参加したおかげで県内の魅力をあらためて知ることができ、各地域がもっと好きになりました。
駅弁はレールを通して全国へつながっているのです。また駅弁屋は地域の食材の広告塔と言われています。生産者の皆さんがつくる作物は、まさにわが子のようなもの。その大切な作物を真面目に作っていること。それを福島の魅力の詰まった駅弁として全国につなげて出していることが私たちの誇りであり、やりがいです。