デジタル版の閲覧と印刷はこちら
  1. 知事メッセージ
  2. 復興・再生の記録
  3. インタビュー
  4. 年表
朽木 勝之 朽木 勝之

012

朽木 勝之さん

[県北:国見町]

小坂アグリ株式会社 代表取締役/元国見町農業委員会 会長

震災後、農家が主体となって農作物の除染作業を実施。町の豊かな土壌を生かした農業体験や農産物、地域の伝統野菜の栽培を通して、農業の再生に貢献している。

国見町の農業を

仲間と共に盛り立てていく

INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから

震災後に取り組んできたこと

 震災後は農業者でチームを組み、除染のためトラック2台分のゼオライト(粘土鉱物の一種。水田に散布することでセシウムなどの放射性物質を吸着する性質がある。)を手分けして散布。機械が入らない田んぼは手作業で散布しました。苦労した分、どんな結果が出るかと、震災の年の収穫は緊張しましたが、無事おいしい米を収穫できました。国見町は、香りが良く、粘り気のある米が採れる土地です。今は応援のためだけでなく、米のおいしさで買ってくれるようになりました。本当にうれしいことです。

子どもたちの稲作体験

 学校から近い田んぼを4アール程借りて、国見小学校の子どもたちに、毎年田植えや稲刈りの体験学習をしてもらっています。田植えのときにははだしで入り、稲刈りも鎌を使います。この体験から将来、農業に携わってくれる子どもがでてくれることを期待しています。

野菜もおいしい国見町

 おいしい野菜も国見町の自慢です。阿武隈川のすぐ近くに広がる川内地区は、砂地で土が柔らかいため野菜栽培に適しています。この土地で採れた長ゴボウや長ニンジンは、きんぴらゴボウや、郷土料理いかにんじんの材料として欠かせない食材。この地域の野菜農家さんがつくる野菜を、町にある道の駅までわざわざ買いに来る人もいるくらいです。

人のつながりも国見町の良さ

 農業委員を30年続けてきたなかで、横のつながりもたくさんできました。町のイベントなどにも協力して、声がかかれば家族みんなでなんでも手伝う、これが田舎の良さです。日本各地の農場へ視察に行ってきましたが、農産物が豊富で、人のつながりがたくさんある国見町はいいところだと改めて実感し、国見に帰ってくるとほっとします。