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南 祐宏・南 祐宏 南 祐宏・南 祐宏

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友祐さん(左)


祐宏さん(右)

[県北:桑折町]

くだもの農家 南農園

桃をメインにさまざまな果物を栽培する農家。高品質な桑折町産の桃は、献上桃として皇室に献上されている。

「この桃でなければ!」

消費者の声を糧に作り続ける

INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから

献上桃をつくる喜びと矜持

 「献上桃の郷」桑折町で、20年以上にわたり献上桃を作ってきました。盆地特有の寒暖差や、阿武隈川流域の豊かな土壌が果樹栽培に適しているのでしょう。当農園では、あかつきをはじめとして、約16種類の桃を約2ヘクタールの畑で栽培。桃栽培は冬の雪降る中での剪定、春前の摘蕾(てきらい)や摘果(てきか)、真夏の収穫など、年間を通じて大変な作業ばかりですが、当農園の桃をリピート購入してくれる消費者がいるため報われています。

両陛下のお言葉で芽生えた決意と自信

 思い出深いのは、天皇・皇后両陛下(当時)の行幸啓。パネルなどを使って桃農園の除染などについてご説明しました。本当に来てくださったんだと、喜びと緊張で頭が真っ白でした。桃を食べて「おいしかった」というお言葉には感動しました。両陛下が召し上がったこともあり、価格も震災前の水準に戻り、桃をつくるモチベーションが高まりました。

木を一本ずつ水で洗い流して除染

 桃をはじめ柿やぶどうなどの木を一本ずつ高圧洗浄機で洗い流し、一部の表土を剝ぐほか、古い木は改植するなど対策をしていました。作業自体も手間の掛かるものでしたが、なにより樹木が痛む姿を見て心苦しくなりました。これも消費者の方々に安心しておいしいと言ってもらうためです。

若手農家も増え、切磋琢磨

 桑折町では現在410人程度が桃作りをしています。若手農家も増えて、献上桃の郷として切磋琢磨しています。知識や経験、技術を得るためにベテラン農家を招いた勉強会や、JAと協力して売り上げの向上に取り組んでいます。桑折町の桃のファンの声を糧に、これからもおいしい桃を作り続けます。