デジタル版の閲覧と印刷はこちら
  1. 知事メッセージ
  2. 復興・再生の記録
  3. インタビュー
  4. 年表
安齋 建治 安齋 建治

001

安齋 建治さん

[県北:福島市]

市民の震災を記録する会 代表

「市民の震災を記録する会」として震災の記録誌を作成。福島市の被害状況や活動の情報を自ら収集して記録を残した。

被害の記録を残し

後世の減災に役立てたい

INTERVIEW 地域から見つめる、あの日から、これから

被害状況や対応を書き残す

 震災後5年となる平成28年、福島市内の被害状況をまとめた冊子「福島市民の震災の記録」を作成しました。震災の記録誌はたくさん発行されていましたが、この震災で福島市に起こったことを市民目線でまとめたものがなかったからです。家の壁に亀裂が入ったこと、人形ケースが落ちてガラスが飛び散ったこと、飲料水や生活用水確保に苦労したことなどを、記録として残せていないことに危機感を感じ、なんとか形にして残さなければいけないと強く思いました。

思いが伝わり、協力して情報を収集

 まずは手記を集めようと動き始めました。これが福島市市民活動活性化支援事業に採択され、福島市や各社会福祉協議会、各民生委員児童委員協議会などの協力を得ることができたことは、情報収集で大きな力になりました。これによって、市内全域について電気、水道、ガスのライフラインの状況や墓石、瓦屋根、ブロック塀の被害状況など計15項目についてとりまとめることができました。

“生の声”が詰まった一冊に

 とりまとめにあたって48名の方が、震災時を振り返った手記を寄せてくれました。震災発生時の小学校内の緊迫した状況、中学校の卒業式後の大変な状況、避難所の状況など、それぞれの状況で経験したことが克明に記されています。
 震度6弱の地震に見舞われた非常時に、人はどう思い、どう行動したのか、この記録誌には手記を書いてくれた人の生の声が詰まっています。

自分の住む地域の状況を知る

 記録誌は250部発行し、市内の小中学校、学習センター、図書館などに配布しました。
災害はいつ発生するか分かりません。記録誌には各地域の詳細な状況が記されています。読んでもらえれば、自分の住む地域で起こりうる事態を想定することができるでしょう。有事の際の減災に役立つことを願っております。